LMDh規定の差別化！V8ハイブリッド車両特集

LMDh規定で差をつけるV8ハイブリッド車両が2024年のWEC世界耐久選手権に登場。BMWMハイブリッドV8（BMWMチームWRT）とキャデラックVシリーズ.R（キャデラック・レーシング）の車両は似たブルー系カラーリングでも、それぞれの個性が際立っている。キドニーグリルやLEDライトなどのデザインが目を引く。同じLMDh規定のマシンでも、一度“顔”が外されれば、双子を見分けることは容易ではない。この2車は共通のダラーラ製シャシーを使用し、外観は別物でも内部構造は同じという特徴を持つ。

WEC/ル・マン主催者側の巧みな戦略が2024年の注目ポイント。キャデラックV-Series.Rは”顔”を外され、バルクヘッドが明らかになった。WEC/ル・マンの最上位クラスは今季9つのマニュファクチャラーが参戦し、LMDh規定マシンも2車種から5車種に急増。2020年のIMSAシリーズとの相互受け入れ宣言からの進化が著しい。

LMDh規定マシンは4つのコンストラクターからシャシーを選択することが可能。アキュラ（ホンダプレミアムブランド）はIMSAのみに参戦しているが、LMDhマシンを使用している点から将来的なル・マン参戦も期待される。各メーカーは独自のデザインやアイデンティティを表現し、エンジン部分も異なる特徴を持つ。特に、キャデラックの5.5リットルV8自然吸気エンジンはアメリカンスタイルを象徴する。

ホンダはIMSA参戦にグローバルなプロモーションの重要性を認識。しかし、ファンとしてはホンダもWEC/ル・マンで競い合う姿を見たいという本音もある。LMDhのシャシー選択制はコストパフォーマンスに優れる一方、技術的制約も存在。ポルシェやランボルギーニが独自の開発を進めており、今季の好調を受けてル・マン制覇への期待が高まっている。

LMDhマシンの挙動には車高変化などの特性が見られ、バンピーなコースで際立つ。2024年のル・マンに向けた開発が進み、外見は異なるが内部にはそれぞれの独自性が秘められている。今世紀最多のマニュファクチャラーが競い合うWEC/ル・マンの舞台で、躍動感ある競争が繰り広げられることに期待が高まる。

2024年06月15日 09時21分