希少金属リサイクルでEV革命を実現

日本原子力研究開発機構発のベンチャー、エマルションフローテクノロジーズが、電気自動車（EV）の使用済み蓄電池から効率的に希少金属をリサイクルする新技術を開発しています。この技術は原子力研究から派生したもので、環境に優しく、低コストで運用可能な点が注目されます。

同社の最高技術責任者は元々原子力機構で研究を行っていた専門家で、液体から特定の元素を分離する技術に精通しています。使用済み核燃料に含まれる元素を取り出す過程で発見した、水と油が素早く混ざり合う現象がこの新しいリサイクル技術に結びついたとのことです。

具体的な流れとしては、粉状にしたEV用のリチウムイオン電池を液体に溶かし、薬剤を加えて専用装置でレアメタルを取り出します。その過程で、装置のサイズや運用コストを大幅に削減できる点も嬉しいニュースです。具体的には、従来の5分の1のサイズと、運用コストが80％削減される見込みです。これまでにおいても、EV用の電池約80キロから約50キロのレアメタルを回収した実績があり、再利用の経済性にも期待が持てます。

この技術は、今後の自動車産業においてEVの普及を支える重要なファクターとなるでしょう。環境に配慮した持続可能な方法で、希少金属を回収するこの技術がさらに発展すれば、より効率的で持続的なエコシステムの構築が進むことが期待されます。皆さんもこの新たな技術の動向に注目してみてはいかがでしょうか。

2024年12月29日 21時20分